ビジネス

「えりも岬に生まれてよかった」世話焼きおばさんがいる豊かな地域コミュニティ(3/4)

外からきた人も受け入れる。「みんなマリンメイト」

── 漁村には、「外部からきた人お断り」とか、受け入れる空気を作れないという話も聞きます。でも川崎さんを見ていると、ここは大丈夫そう。

やる気のある人にはどんどん入ってなじんでもらって、そして引き継いでくのがいいよね。駐在さんだって昆布やってみたら、面白いって。ちゃんと休みの日になれば手伝ってくれるよ。

えりも地区でとれた昆布を揚げた「コンブチップス」

── えっ。駐在さんって警察官?

そうだよ~! 駐在さんや教頭先生の奥さんも入ってるし、私は勧誘しに歩くの。みーんなマリンメイトだから。「海のおともだち」だから!

── すごい(笑)。漁協の女性部だけど、漁師の嫁や娘だけではないんですね。

関係ないよ~。それぞれの個性を引き出すし、よその地方から来て寂しいかなと思えばいろんな話をしてね。やっぱり人とのつながりが大事だし、人と話すことで「楽しい」から始まるんだよ。

まだ20代とか、子どもが産まれて間もない人もいるから、「いつでも困ったことがあったら声かければいいよー」って言ってる。女性部には20代から60代までいて、みんなピチピチだよ。

「家ではこんなに楽しい食事したことない」札幌の女子高生との出会い

── 人を巻き込むパワーがすごいですね。川崎さんみたいな人がいたら、漁村が明るく元気になりそう。

またまた(笑)。あとは、地域と学校で連携をとって料理教室なんかもするんだけど、子どもたちもすごく喜ぶの。道庁の水産局から相談を受けて、札幌の大通高校でも料理教室をやったんだけど、そのときのことが忘れられない。

いつもみたいにジョークばっかり言ってたら、ご飯を食べるときに横っちょの女の子が泣いたわけ。「何か悪いこと言ったかな」と思って「どうした?」って聞いたら、「家ではこんなに楽しい話をしながら食事したことがない」って言うんだよ。いつもは一人だし、食欲がないから、自分がこんなに量を食べられることに感激したって。それがとにかく嬉しくて嬉しくて。

── 都市部だと孤独な子が増えているのかもしれません。その女の子にとっては、貴重な体験になったでしょうね。

ちょうど昨日、担任の先生から連絡があって。その泣いた女の子、今は生徒会で楽しく活躍しているんだって聞いて嬉しかった。

今年も料理教室やったんだけど、12人しか集まらなかったの。でも私は、たとえ一人、二人でも、興味を持って参加してくれる子が集まってくれるならやるし、参加する子どもたちの気持ちを大事にしたい

体調崩さない限り続けたいなって思ってるんだけど、朝早くに起きて仕事こなしても、おかげさまでまったく体調崩さないんだわ。昆布食べてるから!

<<

>>

お問い合わせやご相談は、
お近くのJFマリンバンクまで

下記のページより「お住まい」または「勤務地」の店舗をお探しいただきお問い合わせください。

今すぐ最寄りのJFマリンバンクを探す